ウォーミングアップについての考察

warm-up トレーニング
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どうも、アベケンです。

練習前や試合前はもちろん、どんな運動であるにも関わらず身体を動かす前にはウォーミングアップを行うのはいまや常識となりつつあります。

ウォーミングアップは身体を温めて怪我を予防する以外にも、精神的な準備としても重要な意味合いを持ちます。ウォーミングアップメニューを行うことで身体と心のスイッチを切り替え、「さぁやるぞ」と前向きな気持ちで練習や試合に臨む準備の時間とも言えます。

そんな大切なウォーミングアップの時間ですが、一体どんなことをやればいいんでしょうか。

ウォーミングアップの内容にフォーカスを当て、具体例を出しつつ考察していきたいと思います。

先だしまとめ

・RAMPプロトコルを意識する。

・RAMPはRaise(上昇)、Activate and Mobilize(活性化と可動化)、Potentiate(増強)の頭文字

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何故ウォーミングアップを行うのか?

冒頭でも少し書きましたが、ウォーミングアップはこれから始まる練習や試合に向けて身体と心を準備する重要な時間です。身体が温まっていない状態でいきなり本番強度で運動し出す人は今のご時世なかなかいないとは思いますが…。

本番前に軽い強度で身体を動かすことで、身体の内部では色んなことが起こっています。

筋温の上昇

深部体温の上昇

神経機能の活性化

血流の増加

酸素摂取量の増大 etc…

パッと思いつくだけでもこれだけ出てきます。これから始まる強度の高い競技動作にスムーズに移行する為の準備を行い、ケガの予防も含まれます。

また、精神面でもウォーミングアップは重要です。後に控える練習や試合に対してモチベーションを高め、集中し、本番のシミュレーションやイメージを高める時間としての役割も担います。

どんなことをやればいいのか?

そんな重要な時間であるウォームアップですが、どんなことに注意すればいいのでしょうか?

今回は、現在勉強中のStrength training & Conditioningの中にある「RAMPプロトコル」をご紹介します。

「RAMPプロトコル」とは以下単語の頭文字を並べたもので、ウォーミングアッププログラムを作成する際に意識するべき内容を羅列したものです。

・Raise(上昇)

・Activate and Mobilize(活性化と可動化)

・Potentiate(増強)

Raise(上昇)

身体を軽く動かし、身体の内部を少しずつ活性化させていきます。心拍数や血流、呼吸数を上げ、各関節が滑らかに動くようにしていきます。

Activate and Mobilize(活性化と可動化)

競技の動作パターンや動的ストレッチを行い、競技に特化した可動域の確保を目的にします。

Potentiate(増強)

引き続き競技に必要な動作パターンを行いますが、ここでは強度を視野に入れます。より本番に近い強度で身体を動かすことによって心身の準備を加速させ、本番にスムーズに移行することを目的にします。

RAMPプロトコルを軸に、これらに当てはまるような運動や動作を取り入れることで練習や試合に向けたスムーズな準備を行うことができるのかなと考えています。

実際のウォームアップメニューを考えてみる(自転車編)

それでは、RAMPプロトコルを頭に入れた上で現在行っている自転車競技(ヒルクライム)の試合前に行うウォーミングアップメニューを考えてみます。

1.低強度のペダリング(Raise)

5~10分ほど、ゆっくりと軽いギアを回していきます。身体が温まるにつれて、徐々にケイデンスと出力を上げていきます。少し汗ばむくらいまで身体が温まったことを確認します。

2.高回転ペダリングと低回転ペダリング(Activate and Mobilize)

常用しているケイデンスの+10~30rpm程の高回転で1分程度のペダリングを3~5回程行います。回転数は徐々に上げます。(例:1回目は100rpm、2回目は110rpm、3回目は120rpm)同じ時間くらいのインターバルを挟み、次に低いケイデンス(50~60rpm)を用いて30秒程度のペダリングを3~5回行います。

高回転(100~130rpm)出力は少し高め:1分

レスト出力は低め:1分

低回転(60rpm)出力は少し高め:30秒

レスト出力は低め:30秒

上記を1セットとして3~5回

3.高出力ペダリング(Potentiate)

常用しているケイデンスで30秒程、本番で出す出力と同等もしくは少し高い出力でペダリングを行います。出力は徐々に上げていくようなイメージがいいでしょう。同じ時間くらいのインターバルを挟み、3~5回程繰り返します。

上記メニューで大体17~30分程の時間を要します。試合前はバタバタしているからそんなに時間が取れない!といった場合やもうちょっと長めにアップしたいといった場合にはインターバルの本数を減らしたり、低強度ペダリングの時間を長くしたり…といった調整が考えられます。

今回は試合前のウォーミングアップを考えましたが、これが練習前であれば高出力ペダリングを省略したり、練習メニュー内容によっては低回転ペダリングを省略したり高回転ペダリングを省略したりといったことも考えられます。

しかし、冒頭にも書いた通りウォーミングアップは精神的準備の意味合いも含むため、本番メニューによって大幅に内容を変更することは望ましくなさそうな感じもします。普段の練習から行っているウォームアップメニューをルーティン化しておき、試合前に同じメニューをこなすことで平常心を保つことにもつながります。

また今回はヒルクライムをメインに考えましたが、クリテリウムを主戦場にしている人の場合はレストの間に自転車の上で上半身の動的ストレッチを行ったりしてもいいかもしれませんね。

まとめ

年齢や性別、競技内容、季節、時間帯、その時のコンディション、ウォームアップに割くことのできる時間の長さ etc…考慮するべき変数は無数にありますが、基本的な考え方について知っていることでいざウォームアップを行おうとした時によりベターな選択をすることができます。

それにあたってRAMPプロトコルという考え方をご紹介しました。

答えはひとつではないので、自分なりのウォームアップメニュー作成に取り組んでみるのも面白いかもしれません。

~参考文献~

ストレングストレーニング & コンディショニング 第4版

※編集後記※

痛めたアキレス腱の治りが遅くてなかなか練習ができずに絶賛モヤモヤ中です。長引くとは聞いてましたが、まさかここまでとは…。ずれたクリートで延々と走った結果慢性障害みたいになってしまったので、道具の確認は大事だなとつくづく思い知らされているところです。

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