運動生理学から見たPolarized Training考察

運動生理学から見たPolarized Training考察 トレーニング
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どうも、アベケンです。

富士ヒルシルバーを取るまでのトレーニングプランとして、Polarized Trainingの考え方を採用していました。Polarized Training って何?という人は以下を参照してください。

 kawamorinaoki.jp

hiroakinanbu.com

簡単に言ってしまうと、持久系の競技において低強度のトレーニングと高強度のトレーニング割合を約8:2にすることで持久力アップがしやすくなりますよ、という考え方なのですが、これが何故効果的なのか?というのを自分の行っていたメニューと現在勉強中の運動生理学の観点から考察するのが今回のブログです。なお、勉強しながらの記事になるので誤り等もあると思います。見つけたらご指摘頂けるとありがたいです。あと、長文です(笑)

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富士ヒルまでの具体的なメニュー

富士ヒルまで実施していたトレーニングの内容は以下の通りです。1週間1サイクルとして、基本的には下のメニューを繰り返し行っていました。週末のライド予定が変わったり、疲労が溜まってるなーと感じた時は量を減らしたり、レストを入れたりしました。その辺は臨機応変です。また、仕事の都合で1回のトレーニング時間は1時間前後、朝と夜という感じで行っていました。なお、平日のメニューは全てローラー、休日のメニューはローラーだったり実走だったり(天気や気分、その日の予定で変わりました)。

月曜 AM:休み  PM:休み

火曜 AM:L5   PM:L1-L2

水曜 AM:筋トレ PM:L1-L2

木曜 AM:L4-L5   PM:L1-L2

金曜 AM:休み  PM:休み

土曜 AM:筋トレ PM:L1-L2

日曜 AM:L1~L7  PM:L1~L7

FTP(当時):245W、HRmax:181

L5   :FTP比110%/HRmax90%を目標に

L4   :FTP比100%/HRmax80%を目標に

L1-L2:FTP比50-60%/HRmax60%以下を目標に

強度は大体上記を目安にしてました。

自転車の練習は約10時間/週、筋トレが約3時間/週、高強度練習が火曜のAMと木曜のAMでそれぞれ1時間ずつ計2時間/週ですが、実際は1時間のうちL4やL5に滞在できる時間はもっと短いので、日曜のフリーライド時に強度を上げたりしました。その辺は臨機応変にという感じです。また、ターゲットがヒルクライムであったためにL6(無酸素系)やL7(神経系)のトレーニングは実施しませんでした。フリーライドの時に時々スプリントやったりするくらいでした。

低強度トレーニングの意味

低強度トレーニングの効果は

・遅筋に対する血管新生

・脂肪燃焼

が主と考えています。

遅筋に対する血管新生

低強度でトレーニングを行うことにより、遅筋の毛細血管新生、及びリモデリングが起こります。要するに毛細血管が増えたり、形(経路)が変わったりします。注意点としては、速筋に対する血管新生は起こらないという点です。これは、低強度では速筋の動員率が低く、適応には至らないからだと考えています。

遅筋で血管新生が起こることによって供給される血液量が増加し、

・血糖取り込み量の増加

・酸素取り込み量の増加

・乳酸(ピルビン酸)取り込み量の増加

といった変化が生じ、これによって好気的(酸素を使った)エネルギー産生量の増加、乳酸除去率の向上といった効果があると考えます。そうすると、人が感じる恩恵としては疲れにくくなったり、息が切れるような強度で運動した後回復が早くなるといったメリットがあります。

脂肪燃焼

低強度のトレーニングはエネルギー源として脂質(遊離脂肪酸)が多く使用されます。これは、酸素を多く取り込みながら運動を行うことによって、脂質を酸化させることで多くのエネルギーを作り出すことができるためです。上でも述べた好気的エネルギー産生です。脂質が利用される割合が多いため、人が感じる恩恵としては体脂肪率の減少や、減量の促進といったものがあると思います。

高強度トレーニングの意味

高強度トレーニングの効果は

・速筋の遅筋化

・ミトコンドリアの増加

が主と考えています。

速筋の遅筋化

上で述べた通り、低強度のトレーニングでは速筋は動員されません。速筋は大きな力を発揮できますが疲れやすいため、身体は(疲れたくないので)なるべく速筋を使わないようにしようとします。よって、速筋を動員する為には意図的に高強度トレーニングを行う必要があります。

速筋を繰り返し使うことによって、低強度トレーニングの遅筋に対する適応と同様のことが速筋に対して起こります。血管新生、すなわち速筋で好気的エネルギーの産生を行うようになります。

速筋は、白筋とも呼ばれるように色が白い筋繊維です。これは、好気的エネルギーの産生をあまり行わず、酸素需要が少ないためにミオグロビン(細胞内で酸素を運ぶ役目を担うタンパク質)も少なく、白く見えるためです。これらを好気的に適用させることで、有酸素的なパフォーマンスを上げることにつながります。人が感じる恩恵としては最大酸素摂取量の増加が挙げられます。これにより、より高強度の有酸素運動を長時間行うことができるようになります。

ミトコンドリアの増加

好気的エネルギー産生にはミトコンドリアの存在が必要不可欠です。ミトコンドリアは細胞内の「好気的エネルギー産生工場」といっても過言ではなく、ミオグロビンやヘモグロビン(血液を介して酸素を運ぶ)から酸素を受け取り、乳酸(ピルビン酸)や脂質(遊離脂肪酸)を酸化させてエネルギーを作り出します。高強度トレーニングを行うことによって、身体ではミトコンドリア量を増やすように適用します。

何故低強度と高強度の割合は8:2なのか

 これは体験談と結果論になりますが、割合が8:2がベスト、というわけではなく8:2という割合にならざるを得なかったのではないか、と考えます。

というのも、高強度トレーニングは身体にかかる負担が高く、連日実施できる内容じゃないなというのが実感です。終わった後口から魂が出てしまいそうになるような運動を連日行う…考えただけで気分が萎えるし、モチベーションの維持も難しいです。人間そこまでの意志力を長期間維持することは不可能です。また、怪我のリスクも増大します。

そのため、一度高強度トレーニングを行ったらある程度回復期間が必要で、その間に比較的身体的負担の軽い低強度トレーニングを挟む…といったイメージです。高強度で身体にかかる負担と、それを回復させている間の低強度のバランスをはかった結果、たまたま8:2になったのではないかと考えられます。

運動生理学から見たPolarized Training考察まとめ

低強度トレーニングで遅筋の血管新生を促し、脂肪燃焼を促進ことにより、疲れにくく、疲労から回復する速度の早い低脂肪の身体を作る。

高強度トレーニングで速筋を遅筋化し、ミトコンドリアを増やすことで最大酸素摂取量を増やし、高強度に耐えられる身体を作る。

両方を満遍なく行うことで、総合的に持久的パフォーマンスアップを図るトレーニングモデル。それがPolarized Training。

「何のためにこのトレーニングを行うのか」を明確にしておくことで、モチベーションの維持につながりトレーニングの効果も上がります。どうせトレーニングに時間を割くのであれば、やったことに対するリターンを明確にしたいと思うのは私だけじゃないはずです。

※編集後記※

運動生理学だったり筋トレだったり、トレーニング計画立案だったり身体に関する知識欲が止まりません。学生時代より今の方が確実に勉強してます。こんな面白い事に巡り合ったのも、自転車を通してなんですよねー。感謝です。

コメント

  1. […] […]

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