どうも、アベケン(@abekenblog)です。
自転車は外で走っていると風の影響を多く受ける乗り物です。ロードバイクに乗る人の多くが身体にフィットしたバタバタしない服を着用しているのも、風や空気の抵抗を最小限にするためです。
風も横風や追い風、向かい風等様々な方向から吹く風がありますが、今回は追い風の時と向かい風の時のペダリングの違いについて、運動力学の観点から考えてみたいと思います。
向かい風の時
自転車に乗っていて向かい風と聞くと誰もが顔をしかめるイヤなシチュエーションだと思います。少なくとも私は嫌いです(笑)
向かい風の状態だと頑張ってペダルを回しても全然自転車が進まない、速度が出ない、辛いetc…爽快感が全くありません。自転車に乗っていて気持ちいいと思う瞬間はある程度速度が出ている状態(個人差があります)だと考えているので、楽しくないと感じる人が多そうです。
向かい風の状態だとペダリングはどんな状態なのかを考えてみます。
ケイデンスは低くなりがち
向かい風の状態だと進行方向とは逆の方向に常に負荷がかかるような形になります。固定ローラー等の負荷に近い感じになるでしょうか。そのためペダリング全周に渡って常に負荷がかかるような状態になるのでケイデンスは低くなりがちです。
ギアは軽くなりがち
向かい風ではペダリングの全周に渡って常に負荷がかかるような状態なので、負荷を下げるためにギアは軽いものを選択してクルクルと回す形になると思います。
全周でトルクをかけ続ける形となり、チカラを入力する時間は長くなります。
追い風の時
逆に追い風の時の自転車の気持ちよさと言ったらありません!(レースや人と競っている時はまた違った苦しさはありますが…。)
軽くしかペダルを回さなくてもグングン速度が出るし、あのスピード感は他のスポーツではなかなか味わえない自転車ならではの醍醐味といえます。
そんな追い風ですが、ペダリングはどんな状態なのでしょうか。
ケイデンスは高くなりがち
追い風では進行方向と同じ方向に風が吹くので、風に背中を押される形になります。ローラー台の上では感じることのできない感覚です。
風がペダリングに対して負荷ではなく、むしろペダルを回す方向にチカラを加えてくるのでギアを上げなければケイデンスはどんどん上がります。
ギアは重くなりがち
ケイデンスがどんどん上がるとペダルにチカラを加えるのが難しくなってきます。速度をもっと上げようとしたときギアがスカスカになれば、当然ギアを重くしてチカラを加えようとします。つまり、より重いギアを踏まなければいけなくなります。
しかもケイデンスは高めになるのでチカラの入力時間は短くなります。追い風の中で更に速度を出そうとした場合はより大きなチカラを、より短時間で入力する必要があります。
競輪の選手やトラックの選手がバイクペーサー(バイクや車に前を走ってもらい、その後ろを走り続ける練習)練習をするのは、追い風の中で走るのと似たような練習になるんじゃなかろうかと想像しています。追い風の代わりにバイクや車で空気抵抗を低くしてもらって普段以上に速度が出せる状況を作り出し、より大きなチカラを素早くペダルに伝える練習です。
まとめ
自転車を速く走らせようとした時、速度はペダルに加えられたチカラとケイデンスで決まります。
すごく雑な言い方をするとアウタートップという重いギアをケイデンス120で1時間ブン回すことができればかなりの速度を維持したまま走り続けることができます。
そのためにはペダルに大きなチカラを素早く入力し続ける必要があります。つまりは追い風の時のような状態でより重いギアをより早く回すことが大切となります。
もちろん風向きや道路の傾斜、状況によってペダルへチカラを入力することのできる時間は変わってくるので、自分がどんな走り方をしたいかによって練習内容は変えるべきだとは思います。
ただ、向かい風のような状況はローラー台の上や峠や登りでも似たような状況が再現可能と考えると、追い風のような状況は練習可能な状態が限られてきます。パッと思いつくところでは追い風、またはなだらかな下り基調の直線道路でしょうか…公道でバイクペーサーのような状況を作るのはなかなか難しそうです。
そのため自転車の上でより重いギアをより早く回す練習をしたい!と思っても環境が限られてくるので、追い風の時はより速く自転車を走らせるチャンスかもしれません。
もちろん、周囲の安全に配慮した上でね!
参考文献
※編集後記※
花粉症デビューしちゃったかもしれません。去年までは疲れた時だけくしゃみ連発するような感じだったんですが、今年は朝起きた時から鼻がムズムズするんです…。